写真20139251

こんばんは、
お彼岸が過ぎ、大好きな金木犀の香りがほのかに香るようになってきました。
(上記の写真は、熱田神宮、
下記の写真は私が幼少期過ごした、静岡県三島市三嶋大社にある樹齢1200年と言われる金木犀の木です。ちなみに国の天然記念物に指定されています。)
20139253
9月には連休がありましたが、
私は、時間が出来るたびに、
できるだけ視野を広げる目的で旅をするようにしております。

もちろん、国内旅行が多いですが、
日本人の文化が形成され、
その流れを感じやすい場所に「 神社」があります。
その神社を訪問することがここ数年多くなりました。

今回の旅の中で、
熱田神宮に足を運んだ際にふと気がつかされたことがあります。

神社は、
「自然との調和」 を「意識して」形つくられた、
「場」である。
ということは、もちろんですが、
自然との調和であるにもかかわらず、
自然そのものとは明らかにその「場」には違いがある。
そこには、自然と調和を目指したものでありながら、
自然との関係性に「心地良い緊張感」がある。
つまり、ただそこに、自然があるだけではなく、
自然との関係性のなかで、お互いが高め合っている。

この、関係性は、よく考えてみると神社だけではなく、
日本文化の根底に流れる関係性だと思います。
しかも、日本文化特有のものでは、ないでしょうか?

自然との関係性に、心地良い緊張感をもっている。
人間の文化の「我」が強いわけでも、自然に負けているわけでもない。

この、絶妙な「わび」と「さび」。

そこから、他の国の文化に思いを馳せてみても、
この緊張感を、私の知る限り感じたことがありません。
なぜ、日本人がここまで、関係性に緊張感をもたせ、高め
洗練させてくることができたのでしょうか?

それを解く鍵を、
ある方の言葉から見つけることができました。

グレートジャーニー(アフリカで発生した人類が世界に拡散した経路)を南米から、
自転車、徒歩、カヌー、動物の力だけで、
逆走された、探検家であり医師でもある関野吉晴さんの言葉です。

「誰が、土地をでていったのかというと、
好奇心や向上心に突き動かされた人ではなく、
弱い人達が押し出される形で出て行ったのじゃないか?」

日本人や、南米のマヤ文明の人間は、
突き出されて突き出されて土地の末端まで辿り着いた
既得権益からのけ者にされた社会的に弱い人間たちだというのです。

弱い人間たちは、自分たちの弱さ故、
より大きな怖いものと真剣に対峙する必要があった。
あるものと対峙する上で、真剣であればあるほどその関係性は磨かれる。
まして、
自分自身の「弱さ」を自覚していたとなると、その関係性は更に磨かれる。

初心者が、ビギナーズラックで勝負に勝つのと、
酸いも甘いも経験し尽くしたベテランが「弱さ」を自覚して勝負に勝つのでは、
勝負の意味、関係性が全く異なる。
どんなに弱いものでも、
真剣に関係性に向き合えば一矢報いることができる。

日本の神社に触れて感じたことは、
そこに自然を征服しようとする意図は全く感じられない、にも関わらず
ただ漫然とそこにある自然ではなく、そこの「自然」すら人間の力で高めている。
という、その洗練された「関係性」の偉大さです。

 

それこそが、
日本人の誇るべきものであり、
向かうべき方向性では、ないでしょうか?

ただ、オリンピックを開催して盛り上がればよい、
何の理念も持たず、
ただ速ければよいと、リニアモーターカーを建設するという方針は、
いまは、高度成長期ではないので、
とても時代錯誤的な未来を感じない方針と感じます。

「おもてなし」をオリンピックの理念にしたいのなら
「おもてなし」の真の意味を知るべきだと感じます。
win-winなどという安っぽい関係性ではなく、
お互いを高め合う「緊張感」をもった洗練された関係性、
それを我々日本人が世界に発信出来る機会になればと願います。

そもそも、
高度経済成長によって我々日本人は、様々な痛い思いをしました。
そして、本当の豊かさってなんだろうと考えたはずです。
なぜ、高度成長時代に痛い思いをしたか?
それは、資本主義社会による競争に巻き込まれたからです。
そしてこれから将来そのような不毛な競争に巻き込まれるかどうか?
それは、その根底に理念が流れているかどうかにかかっています。

私は、競争そのものを否定しているわけでは、ありません。
ただ、理念のない競争は、人を不幸にするだけです。

無意味な受験戦争が、
成績がよいから医者になったなどという人間を生むのです。

山極寿一さん(京都大学理学部長、人類学霊長類学者)が
関野吉晴さんとの対談で述べられています。
「国際競争力などという言葉の中身は、果たして本当だろうかということです。
もっと広い視野で世界の今を眺め渡してみると、
むしろこれからは無用な国際競争に巻き込まれるのを避けて、
食料自給をたかめ、
自前の産業を育てようとする国や地域が増えてくるはずだと私は考えているのです。」

無用な国際競争を避ける唯一の方法が、
自分たちの本当の意味での「強み」を、しっかりと理解することだと私は感じます。

そのことは、
個人であれ、会社であれ、地域であれ、国であれ、民族であれ
それぞれの枠組み全てに通用することではないでしょうか?

今日も最後まで読んでいただき本当に感謝いたします。

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